春霞(はるかすみ)


会社名 | 合名会社 栗林酒造店 |
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創業 | 1874年(明治7年) |
所在地 | 〒019-1404 秋田県仙北郡美郷町六郷字米町56 |
電話 | 0187-84-2108 |
HP | https://harukasumi.com/ |
見学情報 | 製造場見学:不可 |
蔵元直売所 | 8:00 ~ 16:45 定休:土日祝日 |
秋田の酒でカンパイ!2020 出品酒情報

酒種 | 純米吟醸 |
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原料米 | 秋田県美郷町産 美郷錦 |
精米歩合 | 50% |
アルコール度 | 16% |
日本酒度 | +1.0 |
酸度 | 1.7 |
アミノ酸度 | 1.0 |
使用酵母 | KA-4 |
醸造年度 | 平成30酒造年度(2018.07~2019.06) |
仕込み水の硬さ | 軟水 |
保存方法 | 要冷蔵 |
現在の春霞の原点とも言える美郷錦仕込みの純米吟醸。低温で一年半熟成した限定バージョンで、口の中で香味がふくらみます。ごはんのおかずとも相性の良い食中酒ですので、じっくりと味わっていただきたいです。
奥羽山脈の恵みを受けた酒造り
当蔵は1874年(明治7年)秋田県六郷村(現美郷町)にて創業しました。六郷は、仙北平野の良質の米と豊富な地下水に恵まれ、かつては酒蔵が20以上あったとされる地域です。春霞の銘柄は、謡曲「羽衣」の一節「春霞たなびきにけり~」から取ったといわれています。
昭和44年(1969)からは地元出身の亀山精司が杜氏を務め、全国鑑評会で7度の受賞を重ねました。この時期の協会9号系酵母での酒造りは、現在の酒造りの基礎のひとつとなっています。平成20年(2008)亀山の引退後は、代表社員の栗林直章が酒造りを行っております。
酒米『美郷錦』への強いこだわり
美郷錦は、秋田県独自の酒造好適米です。北国秋田に適した酒造好適米の育種開発の結果、誕生したのが美郷錦。現在、当蔵の酒造りは「美郷錦」なしには考えられません。
当蔵では平成17年から美郷錦の契約栽培を始めました。大粒でタンパクが少なく、精米特性に優れている良米ですが、決して栽培しやすい品種ではないことも事実です。その意味では「プロのための品種」とも言えます。仕込み水や使用酵母との相性が良く、当蔵の酒造りに適してると感じ、年々栽培量を増やしてきました。令和元年度は、当蔵全体のおよそ八割に美郷錦を使用しています。
水の町、美郷町
清水の郷・秋田県美郷町。ここは町内に126カ所もの湧水が確認され、名水百選(環境庁)にも選定された水の町。奥羽山脈のふもと、扇状地の上にあるため地下水が豊富で、各家庭でも地下水を汲み上げて使用するのが一般的です。
当蔵で使用している仕込水も、地下25メートルから汲み上げた地下水。その水温は年間を通して約12度前後で、水質は軟水。一説には「酒を造るにはよく湧く軟水が良い」といわれるなど、仕込み水は酒の味を大きく左右しています。
蔵人紹介
代表社員 兼 製造責任者栗林直章さん
- 栗林酒造の特徴やこだわりを教えてください。
- 春霞は、美郷錦の特徴を活かした、普段の食事、ごはんのおかずとも相性の良い食中酒です。
当社の酒造りで特にこだわっているのは、原料処理(蒸し)です。仕込みに使うほとんどの米が美郷錦なので、冬の間、毎日毎日、同じ品種を蒸して仕込めるのがよいところ。栽培農家さんや精米ロットによる微妙な違いも、自然とわかるようになり、それに合わせた原料処理を行っています。
- 美郷錦とはどんなお米なんでしょうか?
- 秋田県が1998年に開発した酒米で、山田錦と美山錦の掛け合わせという超良血米です。うちの町名(美郷町)と一緒ということで使い始めたのですが、いざ使ってみると春霞の仕込水や使用酵母と相性が良く、年々契約栽培を増やしてきました。今では、美郷錦なしには春霞の酒造りは考えられないほどです。
繊細ながら複雑な味わいがあり、純米大吟醸から純米酒まで幅広く用いています。全国新酒鑑評会への出品酒も美郷錦です。秋田県産の美郷錦を、県内だけでなく全国の酒蔵で使ってもらいたいです。 - おすすめの商品を教えてください。
- 春霞 緑ラベル。当社が美郷錦にこだわることになった、きっかけのお酒です。このお酒を評価していただいてこそ、今の酒造りがあると考えています。
- 好きな食米の品種は何ですか?
- あきたこまち、妻の実家でとれたお米です。出張から帰ってくるとあらためて白米のうまさを感じます。
- さすがに美郷錦は食べないんですね。(笑)
- そんな勿体ない!(笑) もちろん酒造りでお米を蒸すたびに食べてますが、タンパク質が少ないので食べるのには不向きかもしれません。これは美郷錦だけでなく酒米全体に言えることですね。
- 最後にファンの皆様に一言お願いします。
- 秋田には美郷錦だけでなく、秋田酒こまち、吟の精など品質の高い酒米が多くあります。ぜひこの機会に、秋田の良質米で醸した日本酒を楽しんでいただきたいです。